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能登半島地震の被災者の一人として、自主的に避難所を運営した沢田英樹さん(左から2人目)。職員室で寝泊まりもした=2024年6月、石川県輪島市、赤田康和撮影

 元日の能登半島地震から10カ月が過ぎたが、石川県輪島市の建具店主・沢田英樹さん(62)は「なんでこんなに復旧が遅いげろ(遅いのか)」と嘆く。

 壊れた住宅などを自治体が解体する「公費解体」の完了率は、10月末時点で県内全体で23・9%、輪島市で14%にとどまる。復旧が遅れれば、経済の再生が遅れ、遠くに避難した人が戻らず、衰退が加速する――。そんな悪循環を沢田さんは危惧する。

 「日本はもう先進国ではないんやな」とも指摘する。「人口減」と「経済の衰退」が連関して加速する負のスパイラルに陥り、被災地を助ける力すらないのではないか、という嘆きだ。奥能登の被災地を取材するたびに私も同じことを実感する。

 どうしたらいいのか。地震の直後から奥能登で活動してきたNPOの一つ、ピースボート災害支援センターの上島安裕事務局長は「官と民が連携して、全国の力を呼び込むしかない」と話す。

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仮設住宅の住民から困っていることを聞き取るピースボート災害支援センターの上島安裕事務局長(右から2人目)=石川県輪島市、同センター提供

 馳浩・石川県知事も、地震後…

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